■相見積もりにて決める場合は検討する時間を含めて2週間位の間に、建設会社を決定します。
特命の場合は見積書内容吟味を含めてもやはり2週間位で決定しましょう。
提出された見積書は設計者が工事費の妥当性を十分内容を検査します。
なんといっても私たち建築家は、図面を子供のように可愛がってありますから内容をよく知っています。
長所も短所も把握しています、どこをどんな風に見て欲しいかを、工事のポイントを踏まえた上で検討します。
ただ見落としを探すだけならば、他の設計者の図面でも判断がつくのですが、自分の設計だからこそこんな具合に創って欲しいという勘所が解るのです。
こだわりが強いほどその傾向が顕著ですが、建築主さんにとってもその傾向はプラスに作用することでしょう。
そして残念なことに提出された見積り額はほとんどといっていいほど予算をオーバーしています。
これにはいろいろな理由があります。
そのひとつは、設計者は、工事がスムーズに運べるように、自分の設計意図が解り易いように、図面を細部に渡って描くこと、図面を読む建設会社の積算者は、それに対して工事を赤字にしてはならないという責任を負っているため、どうしても安全側に傾く傾向があるのです。
前述しましたように「設計内容を充実したものにすれば当然の結果」と・・・相見積もりをスタートする前にご説明しておきますが、いざ結果を前にすると、建築主さんと共に一喜一憂しているのが正直なところです。
なかには初めての経験で困惑される方もいらっしゃいます。
「設計監理」の語句の意味を、私自身は、(大袈裟かもしれませんが)心のケアも含めた意味をもつものと捉えております。
予算不足を嘆く前に「こんなときこそ自分たちの生活の価値がどこにあったのかを考え直してみるチャンスです」なんて偉そうなことを言ってしまってひんしゅくをかったことも・・・・
もちろん、設計の中身の吟味して比較表を作ったり、建設会社の意向を尋ねてみたり、諸条件の最大公約数を探し当てます。・・・・(このあたりの作業は今はもう死語になりつつある仲人さんみたいです)
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