■確認申請が確認される目途がついてきましたら、3社から5社くらいの建設会社に見積要領書と設計図を渡し、見積もり依頼をします。
この期間が2週間程度です。
役所のお仕事ではインターネットによる電子入札が行われていますが、民間の住宅では面談しながら進めています。
相見積もりをする場合、参加していただく工事業者、建設会社の選択基準を設けておきます。
それは建築主さんの社会的立場により異なりますが、当該工事を完了できる技術的能力、社会的信用性、建築主さんとの関係、設計監理者との関係といった面から検討し決定します。
しっかりした技術力を持った会社が意欲を持って競ってこそ、意味ある相見積もりなのですが、そういった粒ぞろいのいい相見積もりはできない場合のほうが多いようです。
また建築主さんの考え方として相見積もりを取る以上は、各社の技術力もさることながら「同じ図面で見積もるのだからなるべく低予算で契約してくれる会社にお願いしたい」という懐の深さや余裕を見せてくれる会社に魅力を感じるのは当然のことです。
もうひとつ、こちらにも触れてありますが、その会社の社長が気心の知れた友人だからというだけで、その会社に決定してしまうのはお奨めできません。
選択基準として「気心の知れた友人」というのはひとつの重要な要素ですが、全面的な信頼に繋げるには、設計者としては不安が残ります。
あくまで見積もりに参加していただく1社として加わって頂く事にしておきます。
したがって、相見積もりをする場合のスタンスは、なるべく各社の営業担当の方や社長さんにお会いしたり、周囲の情報を集めたり、もちろん提出していただいた見積もりに対しては金額のみではなく、積算内容に対して何度もお尋ねして、その過程において種々の条件を検討してゆき、手探りで結論を出してゆくという少々神経の磨り減る作業となります。
相見積もりというのは、建築主さんの立場によっては慎重を要する作業ですので、十分な技術的評価の上「特命」で決定するということも、もちろん常に視野に入れていますので忘れないで下さい。
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