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これまでに設計してきた住宅や建築の家づくりプロセスを紹介します。
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風を感じるオール電化
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天井板
天井板をどのように考えていますか?
なんて天井板論を始めてみても、「なにを大袈裟に言ってるの?」と切り替えされてしまいそうです。
ご覧のように床下をデッドスペースと考えずビビッドな扱いとしているのと同様に、
屋根裏という「裏」のイメージはありません。
アイシネンから空間をいくらか取ったらその下は天井板の化粧部分とします。
この勾配を気にする方も過去にはいらっしゃいましたが、多くは杉板の赤みと節のランダムで
規則性のないおおらかさと、自然素材の湿気の給放湿性、大きな空間のゆったり感、
ロフトという多目的なスペースを取るにも寄与しています。
天井板は床板のような機能性が要求されなくて無視されそうですが、
空間を形作るために役割を分析工夫の価値は大きなものがあります。
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Jパネル
Jパネルは杉の板を横方向にクロスに積層して36MMの厚みにしてあり、耐力壁として、
化粧材として、床の剛性を高める材料としても使用できます。
杉の間伐材を利用しており、その質素な考え方と多機能面が設計者心をくすぐられて採用しています。
壁の耐力壁としてそのまま内壁の化粧としたこともありますが、
最近は家具の縦枠材兼耐震補強材となるようにも工夫しています。
室内に現れて顔を見せてくれますから素地のままで調湿の効果も期待できます。
またクロスや紙の無表情にポイントを与えてくれたりもしています。
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気密
気密は暑さ寒さ解消や省エネを実現するキーワードです。
広い意味でとらえてみて、暑い寒いという不満を解消することが
住まいのデザインの基本ということになってもいいと考えます。
建築技術支援協会(サーツ)が住まい手1万人調査というのを実施したそうです。
不満の第1位は暑いで26.9パーセント、第2位が寒いで22.6パーセント、この2つでほぼ半分、
第3位が結露で15パーセント、虫やゴキブリの進入が8.8パーセント、風通し」が6.6パーセント、
以上の合計で全体の8割を占めてしまうというショッキングな結果です。
そして不満点が20項目あるのですが、デザインが悪いというのは1つもはいっていませんでした。
これまたショッキングでしょう。
これだけ性能の良い建築材料が世の中にコマーシャルされているというのに、建築屋さんは、
その使い方やその説明がいかに下手かが良くわかってしまいました。
(もちろん私もその中の一員かもしれませんが・・・)
この結果を裏返すと、暑さ、寒さ、結露、風通しなど住環境を
デザインの基本に据えずして創られる住まいは、ありえないのです。
そして、おい医者さんじゃないけどインフォームドコンセント、
すなわちパートナーとしての監理が必要ですね。
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軒裏換気
異様に大きく撮ってありますが、これは軒裏の換気口をアップしたものです。
軒裏の換気を促すためというより、軒裏から屋根材と天井材の隙間を通り2階の外壁への
通気を確保するためです。
またオマケの機能として屋根材直下の防水材で止まらなかった雨水を排出することもあります。
ただ現場の生の声として雀さんに好かれるデザインのようで、巣をかけたがって困ったものです。
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