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これまでに設計してきた住宅や建築の家づくりプロセスを紹介します。
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風を感じるオール電化
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密着
南雄三さんの本はよく整理されているのでたまに読んでいます。
断熱・気密・換気についての解釈を丁寧に解りやすく書かれていますので、
興味のある方は是非読んでみてください。
もし、あなたが住宅の設計者であろうとなかろうと読みやすくて参考になること請け合いです。
気密は施工面との密着に裏打ちされています。
エアバリヤー(気密)に関する考え方を知るには、英語を読めなければ学問的には
100パーセント理解できないという、日本での専門書は稀薄な状態のようです。
これについては、断熱・気密・換気の関係を理解されてからですとより理解がすすみますが・・・
ただ、この点は誰でも理解できると思うのです。
極端な例ですが、窓を開ければ空気が外部へ逃げますよ、同時に室内が冷房をかけてあれば
冷気も逃げるのは当然です。
冷房をかける季節に窓を開放する人はいないでしょうが、部屋を密閉したとしても、
壁や屋根、窓そのものの断熱性能をどれだけ上げても、漏れてゆく空気が運ぶ熱ロスが格段に大きく、
これをコントロールできなければ省エネルギーは出来にくいのです。
この点の解りやすい例としては、鉄筋コンクリートのマンションにお住まいの方は、
最上階でない限り結構エアコンの効きがよくありませんか。
断熱が良いのではなく、部屋を囲んでいるのが密度の高いコンクリートですから気密が良くて
効きがいいと言えるようです。
このあたりの勉強を進めてもっと解りやすい説明を書き加えてゆきたいと考えています。
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エアバリヤ
エアバリヤーという言葉は聞くことが少なくても、
高気密という言葉は聞かれることが多くなったのでは無いでしょうか?
新聞紙上でも、Q値、C値なんてのもよく報じられていますが、
建築主さんによっては謎かけのように訊ねてこられる方もいらっしゃいます。
これらの値は住宅の熱性能を数値で解りやすくしたものですが、
解りやすそうで実感しずらいものでもあります。
昔から風通しの良い家がいいなどと言われますが、
この風は自然の力で勝手に入ってくる風のことなのです。
風は空気の動きですから、囲まれた住まいという空間に居る人間には体感的に
涼しい思いをさせてくれます。
ところが一歩踏み込んで考えてみると、空気は同時に水蒸気や熱を運んでゆき、
これがエネルギーロスに繋がってゆくことになるということです、
すなわち、逆にそこの部分を神経質に検討しコントロールできれば、省エネ効果が高いということです。
このコントロールをするのにエアバリヤー(気密)という性能が必要になります。
外断熱とか軸間断熱とかいって工法を競い、住宅全体を断熱材で包み込むことに努力するよりも、
その中を行き来する空気そのもの動きを見つめた方が効果的なようです。
読んで頂いている人によっては、すべて当たり前のことばかり書いているようで何を寝ぼけているの?
と言われそうですが、こんな簡単な話に日本の住まいは何年も無関心というか、
不器用で大雑把でいたようにも思います。
室内の空気を管理コントロールするということは、エアバリヤーが前提となります。
私はこれに現在注目しています。
このあたりが解ってくると、たとえば微量の換気能力の換気扇を幾つも付けてあることに
嫌悪感をいだく建築関係者もいらっしゃいますが、その建築業者さんにこそ
嫌悪感をいだいてしまいます。
これに限らず、ちょっとでもマニアックに関心を強くもっていたほうが建築主さん自信も
最終的に得をするのも事実です。
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竹フローリング
竹フローリングの感触、竹のフローリングをご存じですか?
「風とオール電化」と題したこの住宅では竹のフローリングを使用してみました。
ムク材のフローリングに人気が集中していますが、設計の立場からいつも
確認事項として申し上げているのが「キズを気にしないですか」ということです。
ミーハー気分でムクフローリングを希望され、材種をよく知らないと後悔をすることになるからです。
もちろんムクの材料はフローリングに限らず捨てがたい安らぎを感じさせてくれますが、
人間の肌と接するときにはそれなりの処置と心構えが必要です。
竹という素材も昔より親しみ深い存在でもあり、硬くて水に強いのがムクの素材より優れた点でしょう。
また広く環境保護や省エネルギーにも一躍を担う存在でもあります。
この竹の利用方法をムク板と合わせて考え、工夫を凝らして使ってみています。
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床下通気
竹フローリングの上に置かれているのは通気用の金物です。
床下の扱いは、従来の工法ですと不必要なスペースですが、
基礎断熱ではむしろ有効な空間として存在価値をつけています。
どういうことか分かりやすく表現すると「地下室」でしょうか。
立派に役割をもっているという意味と居住性も悪くないですよ、といったところですか。
床上の部分と空気環境を同等にするためにこういった通気口を設けておきます。
たとえば、ある北国の設計者は1階の床下に一般的な室内暖房機を設置して
床上の空間を快適にすることに成功しています。
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