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これまでに設計してきた住宅や建築の家づくりプロセスを紹介します。
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挟土秀平と岐阜千成寿司
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営業効率を優先するとどんなプランになるか。
第1のプランでは水槽を囲むように席を配置しました。
次の上のプランが出てくるまでには
その条件を崩さずに席数を確保するために、カウンターの大円形をくびれた円形や
他の形にする、階数を5階にするなど、すでに幾度となくスタディーを重ねていました。
そんな中、建築基準法上の問題も浮かび上がってきました。
それは、階段室の防火区画と、1階から4階まで直通で非難できるか、
ということです。
このことはひとつの示唆を与えてくれました。
それは、水槽やカウンターの位置関係がどうなっていようとスペース確保という点からは、
階段を東(平面図の右側)に寄せて南北に配置することが有利であることです。
このことに確信を得たうえで、とにかく営業ベースを優先順位の一番目に
そして、お客様の流れや作業効率などに点で細部の打合せを満足させた形のプランで
この段階に至りました。
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上のパースは平面図の説明のために作ったものです。
無味乾燥の平面図が立体的になると、
打合せ会での建築主さんの言葉数が多くなり弾んできます。
設計者では気づかない寿司職人としての専門的なお話が出てきて
無駄のない正確な判断をしていただけるようになってきました。
第1回目のプランに比べて、建築主さんと設計者との距離が近づいたようです。
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2階は、1階からの階段と3階への階段が直線状になったことにより
お客様と店員さんの動きが集約されてきたようです。
部屋の用途は大きなお座敷を作っておいて宴会場と兼用ということに
変化しました。
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3階は、職人さんの休憩室と倉庫という設定になっています。
階段の位置が変わるだけで、
やはり1階のプランが全体の流れを左右しているようです。
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4階は、事務所と機械スペースという設定になっています。
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外観はこの時点でこの形で決定していました。
階段の位置を固定したことで選択肢が減りましたが、
建物内部の階毎の用途をどうするかという課題は、将来を睨んで建築主さんのほうでも
紆余曲折があったようです。
第一案から決定案が出てくるまでの期間は、1年以上が経過しようとしていました。
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