2010年9月24日
この日は集合の打ち合わせ会の日でした。
身振り手振りの人は現場の監督さん、現在は軒先の破風の切り込み方について 職人さんに説明の最中です。
外装のリニューアルも工夫をします、既存の伝統工法の風貌を残すことが重要です。
現在は下地の透湿防水シートが仮張りした状態です。
2010年9月11日
勝手口の脇には電気関係の集合盤が設置されます。
住まい手にとっても日常生活で目に触れることになるこの場所に電気のコントロールセンターを もってくることはよくある手法ですが、さらにこの住宅の場合には この壁が耐力壁であるという事情も重なっています。
盤が設置される向こうが便所になっています。
2階から降りてきているのは汚水の配管です、黒く見えているのは遮音巻きの被服材です。
2010年9月1日
伝統工法のこの建物の基礎は、敷き土台をコンクリートや玉石の上に敷いて 床高レベルの繋ぎの土台で繋いだもので、現代の木造のようにコンクリートが 土台の下まで立ち上がっていないため、足元の耐震性能は低いものとなっています。
黒い板は、上下の土台をせん断性能のある面材で固めたところです。
これは補強打ちした床下のコンクリート土間に金物でアンカーされています。
下は広縁部分です。
屋根工事進行中ですが、2階北側の窓から北東の方向、石灰採掘や 化石の出土で地元では親しみのある赤坂山や、遠くは岐阜市の方向です。
建築主さんも自慢の眺望、平面計画の中にも新しい居間やダイニングから この眺望を生かすことになっています。
忙しい現場作業の中でひとりだけ一息ついた時間でした。
2010年9月15日
既設と増築部分もサッシは旭硝子の「もくまど」を採用しました。
優雅さを残すためには伝統的な木製サッシを作り直すことも考えましたが、 現代の気候の変化やメンテナンスを考え、また外気にさらされて実用上も動作の多い部位だけに、 枠はアルミ製で障子はペア硝子入りの集成材加工のオスモ仕上げという 現代版の木戸という選択になりました。
外壁は既存の真壁の外側に構造用合板で壁を補強して、 サッシ枠を取り付けるという防水性の確保も必要という事情もあります。
広縁の南側は美しい庭園に面する部分だけに、仕上がった状況はもちろんですが、 足場の管理も重要になってきます。
この日は決して手を抜けない実用面の性能と仕上がってからの美観をどう確保するかを 考えながら眺めていました。
2010年9月21日
過去の伝統工法では「家は夏を旨とすべし」と、床下、天井裏、柱と土壁、 木製の建具、すべてが微妙な通風が家内部の湿度や温度を調整してくれていました。
ところが宮脇先生の書かれた本にもあるように戦後の住宅政策は 日本の伝統的住まいの考え方を押し潰してしまいました。
ただアルミサッシの登場は室内環境を人工的に調整するには 必要な開口部材であることには変わりありません。
内部は伝統的意匠で、外部は現代の環境変化に耐える鎧を着せるという 納まりを考えなければなりません。
ご覧のように、サッシの納まりについては必ず現場で打ち合わせて職人さんも 納得してもらうことになります。