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《所在地》 岐阜県垂井町
《工事種別》 増築改修
《1階床面積》  191.91u
《2階床面積》  70.13u
《延床面積》 262.04u
       (79.4坪)
《施工》 三柏
 
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これまでに設計してきた住宅や建築の家づくりプロセスを紹介します。
 
  
粋な伝統数奇屋






居間の塗り下地確認

2011年2月16日

内装の壁や天井は珪藻土の塗り仕上げ、四国化成のケイソウ土製品です。

左官仕上げに入る前には、家具の取り付け部分との納まりや壁の入り隅出隅の役物

(コーナーの見切り部材)、天井と壁の役物、仕上がりが切り替わる部分の見え方が

無粋な部分は残ってないか、などそれらを踏まえた下地の入念なチェックが必要です。

シンプルな内装仕上げを見切り入れないで吉村順三風(住宅建築で有名な建築家)に

実現する建築家は多いのですが、私は将来のメンテナンスを考えて見切りを入れています。

ご覧の画像は居間の南側、玄関との間仕切りに取り付けるテレビボードの納まりについて

打ち合わせをしているところです。













井戸周りの処理

2011年2月22日

祖先が使われていた井戸、これからも残して使っていきたいという建築主さんの意思もありますが、

玄関のこの位置に残すことについては設計者にとって重い課題でした。

組み上げた水が飲めるものかどうか、少なくとも庭への散水として使用できるか、

何よりも玄関のこの位置に意匠的にどう残すのが最適か、などです。

井戸の水をキッチンの手元や庭での散水として機能するようなポンプや給排水配管の状況と

それらとこれから作り込もうとしているくみ上げポンプ上部の架台家具の製作図を

どのようにしておくかを考えつつ眺めなおしていました。












杉の天井板にも歴史が浸み込んでいる

2011年2月28日

画像から杉の天井板の張り上げる様子が分かりますか。

クロスなどの糊付けで仕上げる場合は、プラスターボードや合板を下から天井の下地にビスで

打ち上げておいてからパテ処理後張り上げるという流れです。

この現場では仕上げは杉の無垢板、ご覧のように大工さんの頭は天井下地の上にあるように

下からではなく上から固定していくのです。

杉板の下に通るのは杉の竿です、天井隅にあるのは廻り縁、これらの部材で杉の板は支えられています。

下から固定するのではなくて上に置く感覚ですね、張り上げた最後は大工さんはどうするの?・・・・

は「地下鉄はどこから入れたの?」の疑問とよく似ています。

自然素材である無垢の素材というのは仕上げを傷つけないとか動きに追従できるようにといった

先人の工夫がこんなところにも生きています。

それでいて伝統的な美しさを感じさせる、歴史の重みを感じてください。

玄関の勾配天井も同じ要領でしたが、

勾配があって玄関から居間まで繋がる長さを納めていただいた大工さんに感謝したいところです。













茶室とのバランス

2011年2月28日

設計段階から何度と無く拝見していたお茶室の庭、

現場の打ち合わせでも贅沢な打ち合わせ室として使用させていただきました。

8月のある日にはご覧のような庭が脇に眺められる部屋での打ち合わせ、

エアコンが取り付いている部屋では会ったのですが、自然風が庭からゆったりと入ってきて、

いや見ているだけでも真夏の暑さを和らげていてくれたように記憶しています。

その場に居合わせた人にしか理解できない感覚ではないでしょうか、

仕事とはいえ不謹慎ですがいい気分でした。

そんな感覚とその母屋の雰囲気をどうバランスさせるか、理屈ではない

「五感」をフル回転で再確認の気持ちで眺めてみました。

残念ながらパソコンのプログラムでは答えは出ません。












 

納戸の壁の向こう側

2011年2月28日

1階の東西の廊下の西詰めに納戸があります。

画像を見ていただくと何の変哲も無い納戸の内装が写っているだけ、

けれども分からない苦労が隠れています。

2階建て木造軸組工法の下屋(2階建ての平屋部分)部分は地震時のときには

2階建て部分と一体になって揺れに耐えてくれる重要な部分です。

地面の揺れがしっかり2階部分に受け渡せるように、基礎の増し打ちや柱梁の金物、

耐力壁の補強張りだけでなく最も忘れがちな小屋部分の鉄筋ブレスと補強火打ちです。

そして西端の温度差の激しい外壁の裏側に当たるこの部屋、通風も良くない場所にあるため、

既設の土壁の外側には熱抵抗の大きな断熱ボードを張りつけ、

足元の基礎にも発泡系のアイシネン断熱材で熱補強もしてあります。

こんな無機質な内装の部屋ですが、普段は見ること無いしかし家庭の大切なものを収納、

かつ守ってくれる重要な部屋です。

工事の当事者としては「ここまで仕上がったか」と感慨です。












寝室の天井

2011年2月28日

寝室の天井が張りあがりましたので仕上がり状況を見せてもらいました。

設計図ではケイソウシックイの塗り仕上げになっていましたが、

建築主さんの要望もあってタモの突き板を目スカシに張ることになりました。

突き板とは合板の基材に薄皮のタモ板を張り上げたもの、

この脇に並ぶ壁収納の仕上げ材に合わせて素材の種類を限定して内装を

シンプルにしたいというのが変更提案の理由でした。

建築主さんはもっと凹凸感のあるものがこの部屋に似合うとイメージしてみえたようですが、

結果的には良かったようです。

歴史的な伝統工法の内装では無垢材のボリュームを強調することが多く、

懐かしさを感じるのですがそこに数奇屋の軽快さを埋め込むことを意識するようにしています。










小屋裏の物置の使い方

2011年3月7日

道具が床においてありますが、壁、天井のケイソウ塗り左官工事の下地処理が始まっているところです。

既設のこの部分は、東に出ている下屋(2階建ての平屋部分)の小屋裏、

台所やキッチンの天井裏だった部分です。

そこは丸太で幾重にも組まれた広い小屋裏の物入れとして家財が収納されていましたが、

今回のリフォームでは、その7割くらいは1階の新しい居間の高い勾配天井として復活し、

残りはやはり物置としましたが、同時にすぐ下の居間の天井に取り付くエアコンのメンテナンスのための

空間として生き残らせました。

画像で見えている小さな開口はそこへの入り口、まだ道具置き場になっていますが、その内部の広さを撮ってあります。
思っていたより広くて、物置としてはちょうど良い細長な空間です。

収納や物置といえば、住宅の設計では軽視されがちな場所ですが、

実は表舞台の生活を支える地味でも大切な場所です。

プランを考える過程で思いもよらず生まれてきた既設の建物の生かしたアイデアでした。

 














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