2011年3月8日
3月8日の「左官工事下地シリーズ」が続いています。
建築主さんの書斎となる場所は改修前には「応接室」でした。
過去の一時期にはこの地方の伝統工法の住宅に客間として「応接間」という
洋風の部屋を作ることが流行しました。
和室のように土壁にジュラクを塗り真壁納めにしない、
大壁の納めにする洋間仕上げで台所やキッチンなどとは違う銘木の突き板や布の
クロスのような特別に良い材料を使い、洋風のシャンデリアを吊るし、
入り口のドアは無垢のヤマハのドアといった仕上げがよく見られた時代がありました。
「応接間」を作ることは一つのステータスだったのです、
私と同じ年代からそれ以上の建築士は懐かしさを覚えることでしょう。
この部屋も他の和室とは別世界のように「洋風」だったのですが、新しい居間との違和感を消すために、
そして強度上取り去ることの出来ない既設の丸太を残したまま天井の低さを感じさせないために、
ご覧のような細工をしました。
モチーフは和風の竿天井のイメージです、ちょっと苦しいですか。