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これまでに設計してきた住宅や建築の家づくりプロセスを紹介します。
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暖炉が数寄
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屋根ディテール
車庫の軒先のアップです。
板金屋さんには申し訳ないのですが、こうした詳細な納めに目がいってしまいます。
エバールーフの「たてひら」という材料ですが、継ぎ目の組合せ方、
先端の役物(この場合飾りになっている金物)が綺麗に納まってくれるので好きなメーカーです。
こういったアップに耐えるディテールは離れて見ても気持ちのいい美しさがあるものです。
POINT
アップに耐える納まりをめざそう
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車庫の小屋組
車庫はもちろん木造ですが、スパンが7.735mとなると鉄骨のようにはいきません。
小屋組の方法を、ただ構造的にもてばいいというだけでなく、
デザイン的にも個性のあるものを残せるようにしました。
ほとんどが木組みの化粧になっていますが、ここで建築主さんが施工に参加されるということで、
オスモ(浸透系木質保護材)をご夫婦で仕上げられるということです。
・・・・拍手
POINT
車庫は車庫としての価値観を
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車庫の小屋組
スパンが7.735m、奥行きが5.46mという開放空間を作るには写真のように
中央で梁をクロスさせました。
ここで梁を斜めに登らせてやる方法もありますが、水平にすることにより小屋裏を有効に
利用することも出来るという建築主さんの発想も加味されています。
車庫についてもプレカット施工図の検討段階で、この組み上げ方で大丈夫かという判断を
設計者の立場だけでなく、施工者の経験的意見も取り入れていきます。
このあたりが木造専門の工務店を建築主さんにお奨めする大きな理由です。
POINT
餅は餅屋
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車庫の外装
3月下旬の現場の様子です。
まだ完成ではありませんが、車庫は小屋組のボリュームに比べればスマートな印象になっています。
中庭式の計画では、こうして生活の中心部分が道路からの視線から外せますので、
中庭も屋外の居間といった感覚で暮らすことが出来て、
プレッシャーの多い現代人の心休まる住まいとしてお奨めのプランです。
POINT
中庭プランは生活プラン
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車庫の目隠し
これは車庫の目隠しとして取り付けた貫(ヌキ)のディテールです。
車庫に駐車されているときには中庭は見えませんが、
駐車されていないときには中庭がちょっとだけ見える状態にしました。
今度は数寄屋の意匠論になってきますが、木造は直線的なデザインも曲線的なデザインも
うまく取り混ぜれば面白く和風の雰囲気を醸し出せます。
この貫は、目隠し格子のように直線を車庫の安定感のある水平方向に入れて、
控えめに奥の様子が見える程度の間隔を取り、
同時に貫本来の耐震的目的も担わせようということです。
材料も美しいでしょう。
POINT
たかが車庫と言わずに主役にしよう
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階段固定金物
階段は片持ち出しのストリップになりますが、そのササラを支持する柱の固定部分のディテールです。
といっても分かりにくくて恐縮ですが、次の写真の右下部分といった方が早いかも知れません。
木造の建物ですから木造で納めたかったのですが、木の踏み板そのもので片持ちにしても
痩せてゆく将来の状況を考えると、鉄を採用して良かったと思います。
加えるに、建物の真ん中の部分に大きな筋交いを入れたのと同じ効果があることでしょう。
POINT
一つの工夫で二つの効果を
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階段金物
階段の金物を固定し終わったのは4月初旬でした。
ご覧のような状態でお見せすると、先に書きましたようにちょっとは
その道をご存じの方には耐震補強のブレスをイメージしてしまいます。
床の部分には板が敷かれていますが、これ一つとっても工務店によって
処理の方法が分かれています。
このような堅い板を敷かない会社もありますが、無垢フローリングを使用することが多く、
床の仕上げに気を配りたい私の設計では綺麗に掃除をした後にベニヤで養生をして欲しいものです。
クリーニングをする工程になって床のキズにビックリなんてことも過去にはありました。
POINT
木と金物の拡大利用も視野に入れてみよう
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片持ちストリップ階段
踏み板を取り付けると輪郭が見えてきました。
左に見えている箱はJパネルを利用した本棚を階段の踊り場と兼用して納めています。
階段の登り具合を建築主さんに試してもらい感想をお聞きしたりしてみたのもこの頃です。
鉄という材料は見た目が堅くて冷たい印象がありますが、階段を上り下りする
感触は柔らかいという感想でした。
POINT
硬い材料で柔らかく仕上げる
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フローリング材料
1階床の仕上げはカバの無垢板フローリングです。
今までもいろいろな無垢フローリングを探してきましたが、
中でもカバ材は表面も硬くて色合いも良く明るくイメージを作ってくれます。
役所の仕様的な言い方をすると受入検査といいますが、
現場に材料が到着する頃を見計らって確認をしておくのも設計の内容を保証する作業のひとつです。
ちなみにカバの色合いは設計段階で建築主さんに見本をお見せして吟味しました。
フローリングの風合いに建築主さんの個性が鏤めてあるのもこの作品の特徴です。
POINT
建築主さんの個性を生かす
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タカラのユニットバス
ユニットバスには鏡がありません、小さな可愛い窓が付いていますでしょう?
蛇口はグローエの製品が取付られています、これは標準の仕様です。
ユニットバスには個性がないと最近の若い建築家さんは、私たちが駆け出しの頃に
よく取り付けた浴槽にタイルという左官工事を主にした浴室を見かけたりしますが、
メンテナンスを置き去りにしてデザインに走りすぎないようにしてほしいものです。
設計時点での建築主さんとの打合せの結果、こんなにシンプルで明快なデザインになりました。
POINT
規格内のデザインも面白い
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電気配線
4月に入り電気配線工事の真っ最中です。
キッチンの裏側、居間の東壁のよく見える位置にスイッチやボイラーのコントローラー、
カメラドアホンのモニターが集中させてあり、かなりの混雑状態です。
配線の並びの見栄えはこれから整えるとしても、それぞれの高さや位置は、
建築主さんの使い勝手を踏まえて検討を加えてゆきました。
POINT
電気のコントロールセンターの工夫は必須
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電気コントロールセンター
コントロールセンター部分が仕上がってきた状態です。
これで全てではありませんが、こんな感じでまとめます、出来てしまうとこれだけのことかという印象ですが、
バラバラにならないようにするのは難しいのです。
スイッチ群、天窓の開閉スイッチ、エコキュート(温度差解消サーキュレーター)、カメラドアホンモニター、
電話、インターネットなどのLAN配線、みんな必要なものばかり。
どうして人間はこんなに多くの線に繋がれていなければならないのだろうと考えることがあります。
POINT
電気は明かりと音と熱、それにデータ
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情報集合盤
これも住まいの個性です。
廊下のクローゼットの上部、天袋の高さに巾が1.8m高さ50cmの情報ボックスを作りました。
廊下に脚立を置いて上吊り式の扉を開けると各室へ繋がっているLANケーブルや同軸ケーブルなど
情報関係の配線がここに集合させてあり、新メディアが出来ても対応できます。
某メーカーさんには申し訳ないのですが、これで充分というより、
この方が良いのではないでしょうか。
まさにこれも建築主さんとコラボレートの産物です。
POINT
規格はずれを旨とする
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