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《所在地》岐阜県大垣市
《工事種別》    新築
《1階床面積》  190.41u
《延床面積》  190.41u
 (57.7坪)
《施工》高橋建設株式会社
 
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  トップ家づくりのプロセス>生きたバリアフリー>足場解体、間接照明、須弥壇、外構、金箔、内外陣
これまでに設計してきた住宅や建築の家づくりプロセスを紹介します。
 
  
生きたバリアフリー


 


〜足場の取外し〜



外壁の足場が取り払われたところです。

外構(屋外のお化粧)は今後、向拝やスロープ、犬走り、雨落ちなどを施工していきますが、

この時点で土地の高低差(レベル)を測量してもらい図面に書かれている工事内容につて再度、

確認をおこないます。

再度確認とは?・・・

実は設計段階でも土地の広さを測ったり、レベルを計測しそれに基づいて

外構の打ち合わせを行ってきましたが

既存の建物や植栽が在るため計測しきれない部分もあるんです。

現場での目視等により予測で工事内容を書かなくてはならないのですが、

余分な物を撤去した今の時点で再度計測をして問題点があれば

事前に対応策を考え納まりや使い勝手を再度検討してお施主さんに『報告』『調整』をおこないます。

・・・例え現場で予想外の事がおきても今までの打ち合わせから、

建築主さんの『想い』や『好き嫌い』を盛り込んだ『修正案』や『新しい提案』がでてきます。

 このような監理を行う事で現場にもリアルタイムに反映できます。

ここで監理者の存在しない工事業者さんなら『やり易い方法』で施工し、

完了した後で『こうなりました』と言われかねませんね・・・





〜排煙窓の設置〜



西側から建物を見ると窓の上に四角い枠がならんでいます。・・・これはなんでしょう?

実は排煙窓(※34)なんです。

建築基準法では例えお寺と言っても排煙窓は設置しなければいけませんから、

設置位置については本堂の最も目に付かない位置へ設置することとしています。

 窓っぽくないのは意匠的にも『窓』として見せたくなかったので壁の様に見せているんです。 



※34・・・排煙窓(はいえんまど)

建物の内部で火災等が起こった場合に煙から人命を守り又、

避難や救助を容易にするための設備で建築基準法により設置を義務付けられている。





〜天井間接照明〜



これは天井の下地組でお見せした天井部分ですがかなり出来上がってきました。

天井部分にはワーロンプレートが使用されています。

このワーロンプレートやアクリル板等のプラスチック系材料の使用については注意が必要です。

何に注意が必要か・・・それは温度の変化による伸び縮みなんです〜。

よく見てみると少し隙間があることがお分かりでしょう?

これは、その伸び縮み時にお互いぶつかり合う事を防ぐ工夫なんです。

・・・当然、隙間の大きさなど細部まで意匠性を重要視していますから

職人さんには『細かすぎる』とか言われますが・・・ある意味誉め言葉なんですよね〜。





〜須弥壇(しゅみだん)〜



本堂で最も重要な部分である須弥壇です。

背面には金箔を貼る予定ですので下地には注意しなくてはいけません。

下地がしっかりと施工されていないと金箔が破れる可能性もあるからです。

ちなみに下地はシナベニヤを2重に貼っています。

さらにつなぎ部分が重ならないように千鳥(ずらして貼る)としています。


ちなみに須弥壇は須弥山(しゅみせん)をかたどったものです。

明秀寺には仏教建築であるという自己主張をちりばめてあります。

有頂天(うちょうてん)の金輪際(こんりんざい)もちゃんとありますよ、

完成画像の須弥壇を見てください。





〜外構のスロープ〜



外構の丁張り(位置、高さを出す)を終えたところです。

正面には法中玄関が見えますがその手前には本堂へのスロープがあります。

ネズミ色の配管が立ち上がっていますが屋根からの雨落ちがスロープの折れ曲がり点に

落ちるように設計してありその雨水をこの配管より敷地外の道路側溝へと流します。

その配管を回りこむようにスロープを配置しています。





〜回廊の物置〜



回廊の物置となる部分の写真です。

すでに床も壁も出来あがっていますが、まだこの部分には棚を取り付けます。

それぞれ1500〜1800でタテに仕切りを入れ可動用の金具を取り付けます。

13mほどの長さがあり、かなりの収納を期待できるでしょう。

上部に見えるものは以前お話しした排煙窓ですがまだ仕上げの塗装を施工していないので

ねずみ色となっています。

塗装後はクロスと同色としますからほとんど目立ちません。





〜法中玄関階段〜



何やらお悩みの様子、階段はこの明秀寺の工事では大切なキーワードです。

設計図を描く以上に現実の形を作っていってくれる職人さんには感謝と尊敬の拍手を送りたいです。





〜金箔貼り〜


須弥壇の背面に金箔を貼っているのは

京都の仏具屋さん(京仏具・小堀)で別途工事(※42)で施工されました。

別途工事で注意しなくてはならないのは、

工事の完成後に施工するのか工事中に施工するのかですね。

例えば、工事完了後ですとカーテン等ですが

レールを取り付ける等の軽作業ですから特に問題はないかもしれませんよね。

しかし、今回の部分で言えば下地の状態、納まり等の噛み合わせの部分を

仏具屋さんと打ち合わせをしなくてはいけません。

工事に直接関わるような別途工事では事前の打ち合わせに加え、

工事中の打ち合わせが重要必要ですから元請工事屋さんと仏具屋さん、

建築主さとんの調整をすることも工事監理の大切な仕事の1つです。



※42・・・別途工事(べっとこうじ)

契約に含まれていない工事のことでお施主さん自ら注文したり、

購入した物を自分で取り付けることをいう。





〜玄関靴脱ぎスペース〜


従来の本堂は外気にさらされた階段下で履き物を脱ぎ、外陣へ入りますが、

明秀寺は回廊の入り口側一部分がタイル貼りで室内にあり、

冬の寒い日などは慌てずにゆっくり楽に履き物を脱ぎ、外陣前の引き戸前に立つことが出来ます。

報恩講など行事の際には、従来のように寒い思いをして外部回廊をあちこちして

自分の席を探すこともなく、どこからもお参りの席に着くことが可能です。

床材のタイルはデザインだけに固執することなくノンスリップ状の水濡れにも滑りにくい、

しかも汚れが気にならない種類を吟味しました。

回廊の床との段差は10センチでストレス無く足を運べ、

入り口のサッシは断熱性能の良い気密等級も4以上、

レール部分は外部との段差はほとんどゼロです。

中央の立つのは手スリパイプで、ごく自然に上がりおりする人の側にあるようにしてあります。





〜外陣・内陣の内装〜


内装の表装仕上げが完了したところですが、

壁紙やふすま紙選定する段階で照明が点灯し内部の調度品が揃った状態を

想像するのはプロとはいえかなり神経を尖らせます。

設計当初より思い描いていた基本構想を思い起こし、正面の阿弥陀如来像が浮かび上がること、

外陣と内陣の段差の空間に締まりを付けること、やはり宗教施設としての

風格を残す色合いであることなどを考え合わせて、議論の末、選定しました。

結果は作品完成画像で見て頂くとわかります。




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