建物を計画するとき(特に住宅)、どのようなことを考えておくと良いかを箇条書きしてみました。
1.いくつもの法的規制をクリヤーしなければならない
建物は自己の所有地だからといってどのようなものを建ててもよいというわけではありません。
地域的な指定からの制限(集団規定)を受けたり、建物そのものに対しての制限(単体規定)を受けたりします。
2.どのような物理的性能を希望するかをまとめておきましょう。
全ての条件を満たし100パーセント満足できる性能を得ることはできません。
耐震性(地震に対する強さ)を充分なものにしようとするとプランによっては窓が思うところに取れずに明るくない部屋ができたりします。
デザインや地震対策はもちろん、他に健康への配慮、最近重要度が増してきた電気給排水設備への配慮などについては特に注目を集めるようになってきました。
性能を数値で理解することも可能です、優先順位をつけて下さい。
3.周囲環境・敷地形状による影響を考慮する。
光の入る方向、風の流れ、隣家との位置関係などを考えましょう。
建築家の造る自由度の高い建物にはこのようなことはないのですが、住宅メーカー(プレハブ)などによっては骨組みを作る制限があり、敷地を充分生かすことができないこともあります。
4.家相の考え方を取り入れるか、取り入れるならばどの程度か。
その全てを否定はしません、その隠れた合理性は取り入れましょう。
ただはっきりしているのは敷地に充分な広さのない都市型の住宅などは家相を取り入れることにより、多くの制限を受けます。
5.家族について考える(特に住宅の場合)
家族の構成により部屋の位置関係が変わります、またいろいろなパターンが可能です。
一般的な2世代同居、3世代同居の場合、その住まう距離観とも言うべきものを話し合いの中から合意点を見つけておき、どうしたらお互いが心地よく快適にまた円満に暮らせるかを話し合い、考えてみる。
6.10年後の暮らしを考えてみる(特に住宅の場合)
最低10年後の生活や環境、家族の構成を想定してみてください。
建物の性能に耐久性を何十年も期待をするとき、また変化を想定して改造を前提とするときも、平面計画的設備的にも工夫できます。
7.予算を考える
予算を考えない方はいないと思いますが、構造の工法、床面積、仕上材、プランの形状、特注の部材などで大きく変わるときがあることを覚えておきましょう。
また建築費用の他の諸費用について調べておく必要があります。
税制が時代の変化に応じて激しく変わっています、思わぬ節税効果を生むこともありえますので、チェックを忘れないで下さい。
8.楽しい家ずくり・生活ずくりにしましょう(特に住宅の場合)
「家は生活の容器」です、家はこういったものだと決めつけないようにしましょう。
人によって顔や性格が違うように生活もその容器である住宅も当然十人十色、我が家流の演出も楽しむことを忘れないようにしましょう。
建築家に依頼するのなら、その自由度を満喫しましょう。
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