建築主と建築家と施工業者とも立場が違っても最終的到達点はまったく変わらないのが理想ですし、事実工事中はいろいろあったとしても、また思いは三者三様であったとしても、完成したときは充実感を共有してお互い顔を見合わせて「にっこり」、ものづくりの醍醐味ここにこれありです。
しかし工事を運んでいく上では建築主と建築家と施工者は工事に対しては別の立場にいることを忘れずに役割をきちんと果たしていくことが大切です。
よくあるトラブルの根本的な理由のひとつは、たとえば施工側と建築主との間に工事に対する目標にズレがあることです。
「もっと綺麗な仕上がりになっても良かったのに、養生が悪かったのではないか」という基本的評価に苦しめられることもあります。
建築主が建築に対しての知識があってもなくても、建築家は微妙なニュアンスを汲み取ったりしてあげなければならなかった場面も数多くありました。
やはり施工側はいかに予算の中で利益をあげるかを目標にしますし、このことは必ずしも悪いものを造ることにつながりませんが、反面、建築主は自分の夢を100%実現したいと願います。
「設計監理」のひとつの大きな仕事には、あなたの希望を現実の許す範囲で検討、調整してゆくということがあります。
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