現在は少なくなってきた「請負大工」さん、例えば建築士の資格はあるが、建築工事一式請負の建設業許可がなく、大工工事で500万円未満の工事しか請負を許されていない大工さんが建築主と請負契約(正確には請負ではなくまとめ役)を結ぶという形態です。
したがって大工工事以外の基礎工事や設備工事などについては、大工さんの紹介業者などが建築主との直接契約を結んでもらう、そして進行上は現場に常駐することの多い大工さんが監督さんを兼任しているという形態です。
複雑そうですが田舎では、現在でもたまにある工事形態についてのお話です。
その大工さんが、外注ではなく、ご自分で設計と役所関係の手続などの実務がおできになり、建築士事務所の許可をお持ちならば、安心してもいいでしょう。
しかし現実にはそういった方は、まれではないでしょうか。
そしてやはり大工さんには工事を精密に、きれいに仕上げてもらうことに集中していただくことが、良い建物を造ることにもつながります、そうあるべきとも思えます。
もしあなたが、ご自分の住宅に夢をたくさん詰め込みたいとお考えならば、具体的なご希望がたくさんあるはずです、そのひとつひとつを大工さんに相談して気持ち良く返事をしておられても、第一に工事方法や予算に気を配っているはずです。
ましてや、腕のいいことが自慢の方ならば、あなたのご希望を整理して、予算を納め、かつ役所の許可関係も取るということに大きなエネルギーを使うことになり、時間ばかり費やして、きれいな仕上げもできるかが心配です。
大切なことは、コーディネーターとしての設計者の必要性がどうしても出てくるという事実なのです。
大工さんから独立した立場となるように、あなたと設計事務所とが法律で定められた設計監理契約を結ばれて、詰め込みたい夢は設計家に相談して、設計図
という技術上の共通語の形に変えてもらうのです。
それをもとに工事の進行も、設計家と大工さんとの3者にて相談しながらということになります。
ちょっと強引な例えですが、母親が建築主とすると、子供は工事の請負者、そして学校の先生は設計事務所です。
母親は子供がなんでもいうことをきてくれると思っていると大間違いですね、第3者である学校の先生の意見を冷静に聞かなければならない場合も、ときとしてありますよ。
間違いの無い家づくりのためにそんな認識を持っていてください。
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