どのような内容で相談があったかを、過去、あるいは現在お付き合いしている施主様の目的別分類を以下にしてみました。
■親子で住まいに対する好みが食い違っており意見が合わないが、第3者である設計家が入ることにより、親世代の好きな在来木造で、子世代の好みのデザインやプランを取り入れてアレンジし、うまくバランスを取ってほしい。
また、仕事関係上無視できない建設会社にも設計者の立場で見積を取ってくれるので顔が立つので。
■自分の勤める建設会社の設計部では「デザイン性」を期待できないため内緒で相談に来た。
■知り合いやコンサルタントに聞いて、設計図は第3者となる設計事務所に描いてもらい現場監理を依頼しなさい、という助言をもらったから。
■自分の希望する内容を伝えるには、工事業者に話しても解ってもらえるとは思えないと感じたから、また最初から利害を前提に相談するには工事業者では気軽にいろいろ聞けないと思ったから。
■予算に合う工事業者を中立な立場で探してくれると聞いたから。
■木造の実績が多いのを友人に聞いた、またデザインにも気を配ってくれるということだから。
■高齢の親の家を建てるのに、子の自分では、また専門家ではない自分では充分希望を理解できず良い家が建たないと思ったから。
■最初から、工事業者に依頼しても、お金の話ばかりで、すぐ壁にぶつかってしまい、希望を噛み砕いて聞いてくれないと思ったから。
■地元の設計者としての自覚のうえに、地元の公共建物を建てるにあたり監修的立場で責任をもってほしい。
こうして上げるとたくさん思い出します。
やはり、みんな住まいへの思いを誠実に受け止めてくれることを求めておられたようです。
以下は余分なことかもしれませんが、理解を助けるために批判を恐れず書きますが、
その反面、受けとめ方が設計事務所と施工業者では、その幅において違うということではないでしょうか。
すなわち工事業者側の意見は、上記の裏返しだと思うのですが、
□図面を理解するのに手間がかかる。
□すべて施主の承諾だけでなく設計者の承認までもいるので思うように工事が進まない。
□図面の変更がきかないので工事が思うように進まない。
□そのつど担当役所と協議の上すすめる必要あり、法令違反に厳しい。
・・・・・といったところがキタンのない正直な意見として聞いたことがあります。
でも、これは、施主さんの選択肢を広く受け止めて整理してゆくからこそ当然のことで、単刀直入すぎたかも知れません。
しかしそうは言いながらも、これまでお付き合いした施工業者さんは誠実に進めてくれた会社のほうが多かったのです。
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