中庭の家
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既設母屋(おもや)の東側には納屋、その南にはお父様のこだわりの遺作でもある離れ座敷もある、
素敵な表門から母屋へのアプローチの両サイドには庭園が広がっています。
建築主さんは中学時代の同級生、納屋を解体して
お母様のための快適な部屋を創ってほしいというのがメインの希望でした。
懐かしさが手伝って肩に力が入りすぎた観がありますが、母屋は5年くらい前に新築されており、
今回の中庭計画が、(敷地内の建物配置を一見しただけで決めてしまいました)
全体計画の総仕上の仕事になるそうです。選んでくれたことに感謝、感謝。
中庭というのは様々な可能性をもっているようです。
学生の頃、コンペのテーマにしてからこの年齢になるまでいろいろなパターンの中庭を創ってきましたが、
高断熱高気密との組み合わせは初めてでしたが、温かさの実現には成功しているようです。
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東北面の外観
石垣は古くからあり解体しないほうが良いという判断でしたが、
設計者としてはその曲線が気に入っていました。
広い敷地の一番暗いイメージのあった方角を明るくするのがひとつのポイントでした。
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南面の外観
左が母屋右の庇の見える部分がお父様が残された離れ座敷
増築部分には生活用の玄関を造りました。
家人だけの通用口ですから正面玄関からのアプローチからはっきり見えなくしてあります
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目隠しの竹のプラ垣は既設にあったものをリニュウアルしました
ホームセンターへで材料を買ってくれば誰でもできるのはご存知でしたか
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化粧の垂木とするために屋根裏の通気層へは換気金物から通気を取りました
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和室の腰板
建設会社さんのご好意でいいヒノキ板が貼って頂けました
腰から上はケイソウ土の京壁塗りですから、その保護にもなりますし、雰囲気もピッタリ。
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中庭はカタカナの「コ」の字の形状になっています
右は中庭西側の東向きのサッシです広縁が3方に囲まれるとかなりの明るさです
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右に少し見えている部分が生活用の玄関
ここから東へ行けばお母様の和室、西へ行けばみんなが集まる居間です
光の集まる広縁の床材は本物ナラ材ムクの板です、やはりいい感触です
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既設母屋の居間
正面の片引き戸が広縁への連絡通路です。
左の引き戸の向こうには生活用の中庭への勝手口があります。
増築するまえは観葉植物があるあたりにサッシがありましたが
それを取り外して居間を広くしてトップライトを付けました
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居間のトップライト
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トップライトには南面の光が入るため拡散するように和風のワーロン障子
(ワーロンは樹脂分を含む材料で紙のような素材感です)をはめ殺しで入れました
そうしたら建築主さんが家具をあしらってくれました
(嬉しかった!)
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24時間換気扇のコントローラユニット
便所の排気換気扇の排気風量に対応する吸気量となるように各吸気換気扇に信号を送ります
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便所の入り口部分
巾を充分広く直線で入れること
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西の和室から生活用の玄関を見たところ
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西の和室
この左方向から光が差し込んでますでしょ、この方向にも実は中庭があるんです
こちらは家事をするための中庭です
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吸気用の換気扇
24時間換気は1時間に全容積の0.5回しか換気しません
誤解されている方は「寒いから切っておきました」と冬場にスイッチを切られること。
「汚れた空気を入れ替えてくれる」と考えてください。1日の電気代は8円ですから・・・・・
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東の和室と寝室を区切る引き込み戸
大きな取っ手、通気口、埋め込みレール、広く高く取った開口
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寝室のクローゼット
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東和室の東面
飾り棚の下は収納と地窓ですちょっとした風入れを造るのを忘れないこと
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中庭に面する広縁
広縁の形状がコの字で総延長が長いので当然その体積も大きい、
冬はサッシを閉じてここに差し込む日を夕方まで貯め込むと建物はその断熱力で
それを逃がさないように頑張るのです。
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広縁に取り付けた分電盤と24時間換気扇の排気部分
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小屋裏に作った納戸
東側の車庫から階段で上がれるようにしてできました
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